コインチェックのビジョン
「新たなテクノロジーで、世界中の人々をもっと豊かに、もっと幸せに」
※ビジョンを記したページが見つからなかったので、2017年7月段階でのプレスリリースより抜粋しています。
さて、2018年早々から世間を賑わせていてるコインチェック社による仮想通貨流出ですが、ヤジウマ的に「そんな企業はどんなビジョンを掲げていたのか」を知りたくなりました。
すでに企業WEBは謝罪やら、業務改善命令やら、機能停止やらでビジョンどころではなくなっています。
新たなテクノロジーで何かを興すという精神はとてもベンチャースピリット溢れるメッセージでよいと思います。
それにより世界の中でもビジョンの通りに幸せになったり、豊かになったりした方も一定数おられるはずです。
コインチェック以外の口座で売りを保有されておられる方なんて、2018年2月現在では笑いが止まらない状態になっているはず
気になるのは会社の成長とビジョンの組み合わせです。
社長さんはまだ30歳にも満たない若さです。おそらく技術的な面においても、経営的にも非常に優れた方であることは間違いありません。それはCOOもCFOも似たようなことが言えそうです。
http://corporate.coincheck.com/#member
おそらく約70名とされる社員の方たちも「仮想通貨」というある種の最先端業界を選んだ、優秀且つベンチャースピリットをもった若いエンジニアを中心に構成されているであろうことは容易に想像ができます。
ビジョンと今回の事件を(少し無理やりですが)結びつけると大きく2点。
一つは「新たなテクノロジー」を誇っているハズのコインチェックの技術(セキュリティ)は、最先端ではなくなっていたという事。
二つ目は似たような「攻めのストラテジーや技術に強い社員」が確実に増える一方で、そうではない志向を持つ社員の欠如や、社長以外に会社のカルチャーに影響を与えるような存在が出てこなかったのではないか。
多様性がない組織ができた結果、セキュリティに関する意識が欠落したままノーガードで攻める組織になっていたのではないだろうか。
多様性がないまま「もっと幸せに」をうたっても、それは「会社が決めつけた幸せ」でしかなく、そこをもっと深く考えるべきではなかったかという事。
2017年は大きな成長を遂げたはずのコインチェック、今後再生の道があるとすれば「もっと豊かに、もっと幸せに」をもっともっと見つめなおしてほしいです。