PIAZZAのビジョン
人々が支えあう街を創る
テクノロジーを駆使した街づくりの総合カンパニー
PIAZZAは勝どきや豊洲といった東京でも新しいマンションが多い新興地域(現在は八千代でも展開)を中心に事業を行っています。
「街づくり」という事業対象は、以前に書いた三井不動産&三菱地所
三井不動産のGroup Statement/三菱地所のブランド スローガン - 理念ソムリエ~企業の想い
とも大雑把に考えれば同じ領域ですが、PIAZZAはよりミクロに焦点を当てています。
エリアが異なれば問題も異なるものですが、前述の建物を中心とした街づくりを行う大手不動産とは手法もテーマも大きく異なり、PIAZZAはコミュニティによる街づくりをSNSやリアルコミュニティを通じて創出しています。
大手不動産会社もコミュニティ形成には力を入れていますが多くはワーカーを中心としたものです。
PIAZZAはの特徴は、人口が急増するなどの理由で住民同士のコミュニティが希薄なエリアに新たなコミュニティをほぼゼロイチで創出していることでしょう。
そこで本題の理念に入っていくわけですが、PIAZZAの理念だけを見ると5W1Hが割と固められていませんが、
Who・・・住民が
What・・・支えあい
How・・・テクノロジーとリアルで
ここからは代表の矢野さんのメッセージから筆者が汲み取ると
Where・・・住んでいる場所で(新興地域・再開発地域で)
When・・・住み始めたときから・地域とつながりたいと思ったときから
Why・・・人は一人では生きられないから
と、きちんと全てが補完されています。
唯一WHEREに関しては、他に取り組む地域によって新たな価値感が生まれる可能性はあるかもしれませんが、それ以外は大きく変えようのない理念であるといえます。
街そのものは大手の不動産会社が開発したものかもしれませんが、そこに住む住民をつなげるところまで出来ているかと言われればそれは「NO」だと思います。
しかしコミュニティがない場所では「ただ住んでいる場所」で、活気や繁栄は望めません。
詳しくはPIAZZAのHPに記載のある矢野さんのエピソードをご覧いただければと思うのですが、ご自信の経験、想い、社会性を兼ね備えた素敵なビジョンと思います。
ソフトバンクグループのビジョン
「世界の人から最も必要とされる企業グループ」を目指して
多くの日本人が「携帯の会社」というぐらいの認識だったはずのソフトバンクですが、いつの間にか世界的な企業へと成長しています。
そこにはどんな理念があったのでしょうか。
まず理念から、最初からグローバルに目を向けている事はわかります。
しかし一番のポイントは壮大なマーケットをターゲットとしているにも関わらず、自分たちの武器や商材、手段については明言していないことです。
これは前述の「携帯の会社」「通信会社」というイメージが強すぎるが故にだと思いますが、ソフトバンクは決してそこだけに拘っているわけではないという事を物語っているように感じます。
例えばPepperに代表されるロボティクス事業、電力事業、地方創生、スポーツ事業など通信やITといった枠に既に収まっていません。
ビジョンと併せて「300年間成長し続ける企業グループ」と打ち出していますが、確かに300年後にスマートフォンがまだあるかと言えば、おそらく「NO」でしょう。
既に大きな土台を手にしているソフトバンクだから打ち出せる壮大なビジョンだとは思いますが、それにしても自由な発想と攻めの姿勢を感じさせるビジョンです。
Lassicの企業理念/経営理念
「らしく」の実現をサポートする
~鳥取発~ITで地方創生
LASSICは、筆者の出身地である鳥取県でも有数の企業へと成長したIT企業です。
鳥取県は日本でももっとも人口の少ない’県で、全国区の事業を展開する上では地理的にも人材確保でも不利と言わざるを得ません。
しかし、それでも人材が集まり、成長を続けられるのは、IT人材にこの理念が響いているからではないでしょうか?
まず経営理念から読み解いていきましょう。
ITに限らずですが、依然として日本の経済活動は東京に一極集中しています。
ITはクラウドの活用、リモート開発など「地方への分散」と相性の良い分野といえます。
そこで【「らしく」の実現をサポートする】という企業理念です。
LASSICは鳥取だけでなく、50の地域に1000の仲間という中期戦略を打ち出すことで働き方にも働く場所にも柔軟な姿勢を感じられます。
私の知っている方も夏場は就労をかなり減らし、カヌーのインストラクターをされているというとんでもない働き方をされておられる方もいらっしゃいますw
未だに「ブラック」と呼ばれる環境下で働くエンジニアも多いIT業界において、「地方でももっと自分らしく働けるんだぜ」なんて、東京でオフィスにこもって深夜まで泊りで作業している地方出身のエンジニアだったら、響く人も多いのは容易に想像できますよね
そしてLASSICに限らず、IT系企業はより理念をエンジニアに寄り添った文言にしている企業が増えています。
この傾向は今後の人材の需給バランスを考えても非常に面白い観点だと思います。
楽天の企業理念
イノベーションを通じて、
人々と社会をエンパワーメントする
楽天の理念はまず「イノベーション」という言葉から始まっていることがポイントです。
楽天は今でこそ日本を代表する企業ですが、楽天市場が誕生してからまだわずか20年しか経っていません。
そもそもその頃はまだまだインターネットやPCが一般に広がり始めた時期と言うこともあり、その段階でEC事業を開始した先見の明はただただ恐れ入った、という一言です。
その後も金融事業、スポーツ事業、格安携帯などとどまることなく、まさにイノベーションを続けています。
さらに第2のキーワードは「エンパワーメント」です。これは自律性を与えることなどを意味します。
これは筆者の主観ですが、自分たちの社員だけではなく、人々と社会に「今までと違う生活に一緒に行こうぜ!」と言っているように見えます。
確かにその為の手段を楽天はどんどん提供し続けていますし、グローバル展開にも力を入れています。
今の楽天であれば「大手」であったり「楽天ブランド」あったり、就業先としても人気企業といえるでしょう。
理念からは楽天に脈々と受け継がれているイノベーションのDNAこそが、楽天の最大のストロングポイントである事が伝わってきます。
アクセルスペースのビジョン
宇宙を、普通の場所に
https://www.axelspace.com/about/vision/
他の追随を許さぬ壮大なビジョンです。
アクセルスペースはまだ設立後10年と経過していないベンチャーです。
社員数も決して多くありません。
しかし、そのオフィスには複数の国籍の優秀なエンジニアが集まっています。
それはアクセルスペースの事業内容は勿論の事、このビジョンが集めたと言っても過言ではないでしょう。
筆者を含め、多くの人類は宇宙を遠い世界だと感じているはずです。
しかし、現実には多くの人工衛星が地球の近くを飛んでいて、その技術の恩恵を我々一般人も日常的に確実に受けています。
同時に、まだまだ宇宙には無限のロマンや未知の世界が待っています。
そんな場所を「普通の場所に」というのは、少年時代の冒険心を思わせる雄大な理念といえます。
且つ、彼らのオフィスが日本橋のド真ん中にあり、人工衛星もそこで製作していると言うのだから尚更驚きです!
彼らにとっては日本橋も宇宙も同じように「普通の場所」なのかもしれません。
富士通の企業理念
富士通グループは、常に変革に挑戦し続け
快適で安心できるネットワーク社会づくりに貢献し
豊かで夢のある未来を世界中の人々に提供します
個人的に不思議と縁がある富士通グループの理念についての考察です。
企業名も漢字だし、それなりに歴史もありそうだし「なんとなく大手で固いメーカーなんでしょ?」というイメージを持っていた富士通グループですが、みな個性的で自由な発想をお持ちであることから興味を持ちました。
出会う人がクリエイティブな部門の方が多かったのも起因するとは思いますが。。。
奇抜さはないものの、理念からはチャレンジ姿勢をうかがえます。
確かに大手とはいえ、IT市場を主戦場とする富士通にとっては変革を続けなければ行けないのは至上命題といえます。
「大手だから安定して定年まで・・・」みたいな考え方は受け入れられないかもしれないですね。
またターゲットとしても「世界」としっかり明記することで、海外市場への意欲をうかがえます。
そして個人的に一番面白いとおもうキーワードは「ネットワーク社会」です。
ITインフラとしてのネットワークという意味も持ちつつ、「人と人とのネットワーク」を実は大事にしようという思いがこめられているのではないでしょうか?
確かにITは人の生活に豊かさと夢を与えてくれるとは思いますが、ITはあくまでツール・手段であって、つながるのは人と人だという事です。
ベースは割とよくあるタイプの経営理念ですが、少しずつ「らしさ」を加えて個性としているというところでしょうか
過大解釈かもしれませんが、富士通グループの社員さんたちを見ていると、理念に見られるイノベーティブな想いを胸に秘めて働いてらっしゃると感じます。
リクルートグループの経営理念
私たちは、新しい価値の創造を通じ、社会からの期待に応え、一人ひとりが輝く豊かな世界の実現を目指す。
人材業界においてもそうですが、さまざまな情報・広告・マッチングサービスにおいて圧倒的な存在感を誇るリクルート
テレビCMでよく耳にする「まだ、ここにない、出会い。」というキャッチフレーズもそうですが、この経営理念はリクルートらしさを上手に表していると思います。
リクルートは社員の方でも、絶対全部は言えないんじゃない?と言うほどのグループ会社が存在します。
それは常に社会の変化に対応したサービスの創出や積極的なM&A等、理念にある「新し
い価値の創造」を継続して行っているからでしょう。
もちろん時代の波に飲まれ消えていった事業もあります。
しかしそれさえも新陳代謝として捉え、さらに新たなサービスを創出していく。そんな社風がリクルートにはあります。
常に変化し続け、膨張しているにも関わらず、どのグループ会社でも企業文化に大きな違いはない事からも、リクルートのDNAは確実に受け継がれ、浸透している事がうかがます。
また「一人ひとりが輝く」という理念にもつながる事ですが、人材の成長を促す徹底した企業文化を育むメカニズム、充実した人事制度もあってか、起業するリクルート経験者が多いのも特徴的です。